苔作

苔 作

路上派の王者

“苔作(こけさく)”という名は「苔が生えるまで共に踊り続けよう一生を 棒に悔いなし阿波踊り」という思いに由来します。苔作は阿波踊りの異端といわれ続けてきましたが、私たちのスタイルを苔作調と呼び、演舞に取り入れてくれるところが増えているのは光栄です。伝統の様式とは一線を画していますが、祭りに参加し、精一杯楽しむという精神は他所の連と一緒だと思っています。苔作は昭和43年(1968)発足されました。踊り好きな仲間がお盆前に集まり、踊ったのが苔作の始まりです。直前に思いつきで太鼓や鉦の鳴り物が用意できなかったので、フライパンを打楽器代わりにガンガン叩いたのが現在、苔作調と呼ばれる独特の鳴り物の発祥といわれています。苔作は名称に連をつけません。鳴り物、踊り、衣装などすべてにおいて苔作はこだわりを持ち、苔作イズムともいうべき独特のスタイルを求します。苔作は規律が厳しいことでも知られています。真剣に阿波踊りに取り組むという考えが徹底していて、昔は親が亡くなったとき以外は練習を休むなといわれていました。今はさすがにそこまで厳しくはありませんが、その精神は現在も引き継がれて、結婚記念日や子どもの誕生日だから休みたいといっても通りません。すべてを棒げて打ち込むからこそ、見る人に感動を与えられるというのが苔作の信念です。

苔作  五代目会長  吉崎秀人

*「DyDo日本の祭りドットコム2017」より抜粋